日出処の天子

著者:山岸凉子

連載雑誌:LaLa

1983年度「第7回講談社漫画賞少女部門」を受賞作品。『日出処の天子』は1980年~1984年に白泉社の「LaLa」に連載されました。
日出処の天子とは聖徳太子のこと。
日本人なら知らない人はいない「聖徳太子」。昔は一万円札の図柄にも採用されていましたね。

そんな飛鳥時代の聖徳太子と、それをとりまく人間たちの模様を描いた物語です。
この作品中で、太子は天才・超能力者・同性愛者(この作品って、現在のBLや同人のはしりなのかな)として
描かれています。
まあ聖徳太子自体が、「本当に存在したのか?」と現在でも言われるほど謎の人物ですし、
たしかに「超能力者であったのでは」との説もありましす。

同性愛者の点で、読むのをためらってします読者も多いと思いますが、繊細な人間関係・心理描写は必見です。

太子はこの物語のあと、史実では、「十七条の憲法」やら「冠位十二階」やら「遣隋使」などなど色々な
政治的手腕を発揮していきますが、その背景には毛人への切ない愛を押し殺し、
現実を進む姿が決意の結果なのかもしれません。

“山岸凉子先生の”というよりも”少女漫画の”傑作と言えるかもしれません。
繊細な絵柄、美麗すぎるカラー原稿、絵以上に繊細な、人間関係・人間心理の描かれ方の妙

<あらすじ>
本作は、飛鳥時代を背景に、政治的策謀をめぐらす厩戸皇子に毛人(馬子の長子として描かれている[5])をはじめとする蘇我家の人々や、崇峻天皇・推古天皇らが翻弄される形で話が進んでいく。

ある春の日、14才の蘇我毛人は天女と見まごう美しい女童に偶然出会い、ほのかな恋心を抱く。実は10才になる厩戸皇子であった。年若くとも非凡なる教養と才能、政治的手腕、威厳を持つ厩戸は並み居る臣下からも一目置かれる存在となる。しかし厩戸は自らが持つ不思議な力ゆえに、実母の穴穂部間人媛に恐れられ疎まれており、母から愛されない事に苦悩していた。同じく厩戸の不思議を感知した毛人は、時折垣間見る厩戸の孤独に心を痛める。尊敬と畏怖と好意を持って厩戸に接する毛人だが、厩戸にとって毛人は自分の持つ超能力を共有できる唯一の不可欠な存在であった。しかし毛人は無意識下でしか超能力を引き出せず、自分の能力を自覚していない。

厩戸の毛人への思いはやがて愛へと変わってゆき、毛人も自分が厩戸に惹かれていることを感・・・・

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